未来へのGift Ward

幸せな未来へつながる言葉、 夢を叶える自分を創る言葉、 言霊を人生に活用して豊かになる言葉等を、 詩や物語やエッセイに変えてお届けします。

ハッピーニュース

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こんにちは。夢ノ命です。
 
 
今日は過去のハッピー記事から、ハッピーニュースをお届けします。
 
 
 
朝日新聞2004年5月24日付 夕刊に、
 
『アユに恋するカエル発見』の記事が掲載されました。
 
舞台は、新潟県青海町須沢、20日朝、
 
アユに抱きついたまま離れないカエルが見つかりました。
 
翌朝、池をのぞきこむと、
 
まだカエルはアユに抱きついたままだったそうです。
 
その後、写真で撮影され、その写真が新聞にも掲載されました。
 
 
なぜカエルはアユに抱きついたまま、離れなかったのでしょうか?
 
 
 
『アユ、君をはなさない!』
(ここから夢ノ命の創作です)
 
 
 
りんりんりん。まわりゆらいで、きみをみた。
りんりんりん。おどりうかんで、きみをみた。
 
 
一ぴきのカジカカエルは、水面に浮かびながら、
 
ときどき、おなかの下を泳いでいる一ぴきのアユを、ながめました。
 
そんな、カエルに気がついたアユは、
 
ちょっと、からかってみようと思いました。
 
『カエルさん。何をそんなに、見ているの?』
 
アユは、急にエラをひるがえすと、カエルの目の前に泳いできました。
 
『べっ。べっ。べつに、みてなんかないよ』
 
アユは、ますますこのカエルをからかいたくなりました。
 
『いいわ。そんなに顔を赤くしちゃ、カエルらしくないわよ
。……ちょっと聞いてほしいことがあるんだけどな』
 
『い。いいさ。何でも言ってみて』
 
それからしばらくの間、カエルは、アユの話に耳を傾けました。
 
なんでも、ここは、さかなのようしょく池で、
にんげんが、ときどき池にきて、さかなをさらっていってしまうのだそうだ。
 
『明日はわたしのばんだと思うと、夜もねむれないわ』
 
それを聞くと、カエルは自分が何とかすると言いました。
 
本当に自分がなんとかしなくちゃいけない、そう思い、腕組みしました。
 
それからというもの、カエルは腕組みしたまま、水面にあおむけになって、
 
プカプカうかんでいました。
 
 
 
なかなかアユを助ける方法は、思いつきませんでした。
 
そのうちに、池に浮かんだカエルは、人間たちのあいだで話題になりました。
 
ある日、池の前を通りがかった人間の女が、声をあげました。
 
『ヤッ、きもち悪い。死んでるの?』
 
カエルが足を動かしてみせると、人間の女はいそいで逃げていきました。
 
ちょっぴり、心が痛んだカエルでしたが、
 
ようやくアユを助ける方法を思いついて、腕組みをほどきました。
 
 
 
あるはれた日、手網をもった人間たちが池の前にやってきました。
 
アユを捕まえるためです。
 
その時、人間のひとりが驚いて、声をあげました。
 
 
『こりゃあ、たまげた。
あそこ泳いでいるアユに、カエルが抱きついてやがる』
 
 
カエルは、自分が抱きつくことにより、
気持ち悪がられてアユは人間に捕まえられないと思ったのでした。