【泣き虫ドラゴンの冒険記】最終話
主人公=泣き虫ドラゴン
(アフリカで生まれて、サバンナで暮らす若いドラゴン)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【最終話】君を背にのせて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ライオンさん、生きててくれた! ほんとうにありがとう」
「おまえは、このサバンナでいちばん、おめでたいやつだ」
ライオンは、前足を立てて、必死に起き上がろうとしますが、
できずに、うつ伏してしまいます。
「ほんとうに、そうだね。それはそうと、ライオンさん、
僕の背中は、君を運ぶのにとても便利だと思わないかい?」
「そいつは、いい提案だな。だがそのまえに、
このもじゃもじゃのタテガミを、なんとかしてくれ」
<完結>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【 後書き 】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【泣き虫ドラゴンの冒険記】ご笑味頂き、ありがとうございます。
過去にアフリカを旅した時に、
タンザニアの町の図書館で偶然見つけた一枚の写真から、
この物語は生まれました。
かなりインパクトのある写真でしたので、私の中に、
その一枚の写真のイメージが、ずっと残っていました。
キリマンジャロ山の頂上で、
凍りついたイエローパンサーの姿。
それも犬のお座りみたいな恰好で、
片手を招き猫みたいに、頬の横でかしげている。
図書館を出ると、頭の中に、ある問いが浮かびます。
何故イエローパンサーは、
キリマンジャロ山の頂きに登り、凍死してしまったのだろう?
夢ノ命は、その後も、キリマンジャロ山を登りながら、
あるいは、山の麓の村で1ヶ月間暮らした時も心の中で、反芻し続けました。
まあ、今となっては良い思い出です。*1
10年以上たった今なら、なんだかわかるような気がするんですよね。
イエローパンサーは、最大のリスクを冒して、
チャレンジしたんだ! と。
野生の本能を超えてまで、
なにか成し得たかったことがあったのだ! と。
そんなイエローパンサーに敬意を表して、
この物語を捧げたいと思います。
アフリカの夕陽をこよなく愛する 夢ノ命 拝
*1:笑